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story

 生贄の少女と世界の終わりの物語

年中秋の色づきに染まる山

その山には気が遠くなるほど昔から

「皆兎‹みなと>」と名付けた生贄を捧げる

儀式があった

その麓にある小さな里に住む主人公は

生贄の皆兎として生を受けた

運命の日

皆兎であるように育った主人公は

それを当然として受け入れ山に赴いた

しかし、儀式らしいことは行われず山を彷徨い、

衰弱してしまう

このまま彷徨い死ぬ事が儀式なのか…?と

意識を落とした主人公が再び目を覚ますと、

自分を獣だと言う4人の人物に介抱されていた

4人––––儀式の神使から

「まだ皆兎の儀式の時期ではない」

告げられ、主人公が何者かに騙されて

山に来てしまったらしい事がわかる

だからといって帰ることも出来ない主人公は

儀式の日まで山で生活をする様に神使達に勧められ、

​彼らとの生活がはじまった

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​◆皆兎【みなと】

「世界を守り、繁栄させる神のお力が陰りし時、

 透明の髪と紅玉の瞳を持つ『無垢の子』が生まれる。

 

 『無垢の子』は神の力を蓄える器なり

 『皆兎』の名を与え、16年間神に捧げる力を育て上げ来る日に備えよ。

 言伝ての鴉が言の葉を落し日、皆兎を山に捧げよ。

 さすれば山にて神のお力を返す儀式がなされるであろう」

 

気が遠くなるほど昔から主人公の住む里に言い伝えられている伝承

この言い伝えによると神のお力が尽きてしまえば世界は終わってしまうらしい

​その伝承の通りに名づけられて育つ生贄を皆兎と呼ぶ

◆儀式【ぎしき】

神の山に「皆兎」をささげる。それ以外の内容はほぼ伝わっていない。

ささげた皆兎が戻らないことを見て、誰もが生贄であると思っている行為。

内容の不正確さから里の人間は「皆兎」に儀式を拒否されないように

育てることに神経を費やしている。

◆神使【しんし】

儀式を執り行う神の使い達4人を指す言葉。

彼らはそれぞれの役割にのっとり神の為に儀式をしているらしい。

◆神の山【かみのやま】

「入らずの山」とも言い、神が住む神聖な場所とされており、

儀式の時「皆兎」だけが入ることが許されている。

一年中見事な紅葉に染まっているので「秋神様の山」とも言われている。

◆里【さと】

神の山と深い森に囲まれ外界から隔離されたようにひっそりと存在する里

山の神を祀るためにあるような里で、信心深い人々が住んでいる。

◆剥兎【はくと】

「白い髪」もしくは「赤い瞳」どちらかを持って生まれた存在。

両方がそろっていることが「皆兎」の条件であるため、

片方しか持たない彼らは本来「皆兎」が持つべき力を奪った者とされ

里で奴隷のように扱われている

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